私はkritaを使うまでは、アナログで描いた線画をスキャナで取り込んでイラストを描いていました。このやり方は「絵を描く」ことに不向きな画像編集ソフトのphotoshopを使っていた頃の描き方そのままです。ですがkritaは「お絵描きツール」。kritaで線画もデジタルで描いてみたい…!
というわで、今回はkritaのGペンを使った線画に挑戦してみました。
そのとき必要になった快適に描くための設定について、まとめておきたいと思います。
私が使っているのは液晶タブレットのXP-Pen Artist 15.6 Proです。以前はWACOMのBAMBOO CTH-670というペンタブレットを使っていて、そのための設定をこの記事に書いていましたが、流石に古くなってしまったので今の環境に合うように見直しました。
キャンバスの設定
設定>kritaの設定を変更 とたどり、設定画面を開きます。左のメニューから「表示」を選択し、「キャンバスのアクセラレーション」を確認します。
「拡大縮小モード」では拡大縮小の方法を設定していて、選択したモードよって表示される線画の見え方が少しずつ違います。
線画に適した設定は、高品質フィルタリングかトリリニアフィルタリングだそうです。 私の環境では既に設定されている高品質フィルタリングにしました。
実際に設定を色々と変えて確認してみると、上記どちらかを指定すると線画の線がガタガタにならずに滑らかに表示されます。
筆圧の設定
設定>kritaの設定を変更 とたどり、左のメニューから「タブレットの設定」を選択します。筆圧を設定するグラフが表示されるので、自分が描きやすいペンの硬さになるようこのグラフを調整します。グラフをクリックすると丸ポチが追加されて、グラフの形を変えることができます。
グラフをいじっている間でもキャンバスに描くことはできるので、安定した線が引けるように自分の筆圧に合わせて色々試してみてください。もし丸ポチを消したければ、丸ポチをグラフの外までドラッグすれば消えます。設定画面のしたにある「Tablet Testerを開く…」というボタンはタブレットの動作を見るものでデバッグをしたりするときに使います。今意図してるような試し書きのパッドではないので注意です。
私の場合は、液タブに変えてからはここの設定はデフォルトのままが描きやすいので特にいじっていません。
板タブを使っていたときは全体的に力が入りすぎてしまっていたので、グラフの傾斜をもう少しなだらかにして線が太く濃く引かれすぎないように設定していました。また、横軸の右端あたりでグラフが最大値の1.0になるように設定し、意識して筆圧をかけたときだけ線が太くなるようしていました。逆に横軸の最初の方はグラフの値が0になるようにして、筆圧が弱いときに線がブレるのを防いでいました。
手ブレ補正について
今はGペンを選択していますが、基本的にブラシを選択すると「ツールのオプション」という名前のドッカーに手ブレ補正を設定するオプションが表示されます。このオプションを設定して、綺麗な線が引けるようにしましょう。因みにドッカーとは、パレットやレイヤーなどを表示している小さな窓のことを言います。 それでは、選択できる手ブレ補正について順番に見ていきたいと思います。
なし
手ブレ補正なしのモードです。描画時の応答速度が一番速く、手の感覚を一番伝えやすいです。私は細かいところを書き込む時に利用しています。基本
WACOMのFAVOなどの古いタイプの板タブに向けた手ブレ補正のようです。おそらく現在は殆ど使い道がないモードなのでは🤔重み付け
ガウス関数を使った重み付けで補正をかける方法で、個人的にはスタビライザーより遅延を感じにくくて補正もしっかりかかるので、書き味は好きです。欠点は勢い良く線を払ったときの抜きの部分だけ、直線になってしまうことです。ピョインと髭のようになります。あと、補正をかなり強くかけたときにハッキリと分かりますが、引いた線が意図した長さより数ピクセル短くなります。
Distance
補正の強度を表します。値を大きくすると補正が強くなります。ここの値は、後に紹介するスタビライザーのサンプル数の値と共用しているので注意して下さい。どっちかを変えると同じようにもう片方の値も変わります。何で共用してるのかは謎。はらいの長さ
正直何が変わるのかよくわかりませんでした。筆圧の変化を滑らかにする
筆圧や傾き、ストロークなどの入力を滑らかにします。表示倍率に合わせる
表示倍率が考慮された補正がかかります。スタビライザー
ブラシを選択したときにデフォルトで設定されている手ブレ補正です。一番使いやすく、重み付けであったような欠点がないので基本的にはこちらを利用するのが良いと思います。サンプル数
重み付けのDistanceで設定した値を共用しているので注意して下さい。これも同じように補正の強度を表します。遅延
ブラシの周囲に表示されている円の長さを設定。この円からブラシが出ると、線が描画されます。私はこの機能を何に使うのか未だに良くわかっていません。最後まで描画
線の終わりの始末。チェックすると抜きが入るようになります。各センサーからの数値を安定化する
筆圧や傾き、ストロークなどの入力を滑らかにします。描くときに便利なショートカット
ストレスなく絵が描けるように最低限のショートカットを確認します。押しにくいショートカットは、左手で簡単に押せるよう変更します。
設定>kritaの設定を変更>キーボードショートカット で、ショートカットの確認や変更ができます。登録されているキーをクリックすると「デフォルト」と「カスタム」という項目が表示されるので、「カスタム」を選択して「ショートカットは存在しません」の文言をクリックします。入力を受け付ける状態になるので、使用したいキーを押して新しいキーを登録します。既に他のショートカットに使われているキーがあると警告のポップアップが出てきますが、利用頻度の少ないショートカットであれば自分の場合そのままOKしています。
やりなおす | Ctrl+z |
---|---|
ペンのサイズを調整する | shiftを押しながらペンを動かす |
キャンバスをずらす | spaceを押しながらペンを動かす |
キャンバスを回転する | space+Shiftを押しながらペンを動かす |
反転 | m |
回転のリセット | 5 |
全体表示 | 2 |
キャンバスの全画面表示 | tab |
使っているブラシを消しゴムモードにする | e |
現在は上記のショートカットを液タブの横に付いてるエクスプレスキーに登録して使っています。
BAMBOO CTH-670のタッチ機能をOFFにする
LinuxでBAMBOO CTH-670を使っていた頃の設定方法です。PCに繋ぐと、タッチ機能がデフォルトでONの状態になっていますが、私の場合はこの機能を使わないのでOFFにします。
この機能はLinuxのGUIでのタブレット設定メニューからではOFFにできないため、xinputコマンドを使用してOFFにします。
xinputコマンドでデバイス名を調べます。
毎回xinputコマンドでタッチ機能をoffにするのは面倒なので、コマンドでタッチ機能のon/offができるようにエイリアスを設定しました。
~/.bashrc
function _finger(){
if [ "$1" = "on" ]; then
xinput set-prop "Wacom Bamboo 16FG 6x8 Finger" "Device Enabled" 1
elif [ "$1" = "off" ]; then
xinput set-prop "Wacom Bamboo 16FG 6x8 Finger" "Device Enabled" 0
fi
}
alias finger=_finger
これで、
$finger off
とすればタッチ機能がoffになります。
参考
Freehand Brush ToolG-Penパッチ/アルゴリズム比較
How does stabiliser in Krita work?
Magic Object :kritaで線画
Kritaでぐるぐるお絵かきブログ
[SOLVED]can't disable touch for wacom bamboo