ペンタブで線画を描くのにも慣れてきたので、今回は少し着色をしてみることにします。
Photoshop5.0を使用していたときの私の以前の描き方では、自動選択ツールとマスク機能を使って下塗りをしていました。
で、この方法で早く下塗りを済ませるために線の切れ目がなるべくない線画を描いて、塗る範囲を自動選択ツールが検出しやすいようにしていました。これがかなり面倒臭いし、描いていてまーったく面白くなくてかなりストレスがたまっていました💧
当時のイラストです。線の切れ目を許さない、固い意志が感じられる…😔
せっかくまた絵を描きはじめたので、不快な作業をなるべくなくす方法がないものかと調べてみると、どうやら自動塗り分けツールというものが簡単に下塗りができてよいらしいということを発見しました💡
実際に使ってみると、ささっと描いた下書きに塗りたい色をちょんちょんと乗っけるだけで塗りたい範囲の線がしっかり閉じられていなくてもそれなりに自動で塗ってくれます。下塗りにかける時間が少なくなった分、他のところに時間がかけられるようになったので着色がとっても楽しくなりました!
忘れないようにさっそく解った事をまとめました😆 通常の塗り潰しツールについて知りたいならこちら👇
線画も描けたしさっそく色を塗ろう!と思ったときにまず使おうと思うのが、バケツのアイコンの塗りつぶしツール。 使用感が他のお絵描きツールで使ったときとなんだか微妙に違うような…一体どうなってるの?
線画について
今回使用する線画は、顔や髪、服などは、後で修正がしやすいようにレイヤーを分けてみました。
そして、クイックグループという機能を使って、これら複数のレイヤーから構成される線画をひとまとめで扱えるようにグループ化してあります。
クイックグループは、レイヤーを右クリックした時に出て来るメニューのGroup>Quick groupで、レイヤーの一覧にフォルダのようなものを追加できます。
このフォルダに「線画」と名前をつけて、全ての線画レイヤーを中に入れました。
自動塗り分け対象の線画を認識させる
線画全部を自動塗り分けツールの対象としたいので、レイヤー一覧から「線画」を選択しておきます。自動塗り分けツール(Calorize Mask Editing Tool)を選択したら、キャンバス上のどこかでクリックします。
少し待つと、上の画像のように、認識された塗り分け対象の線画が少しにじんだ感じになり、Calorize Maskというものがレイヤー一覧に追加されます。
これで色を指定する準備ができました。
色を指定する
自動塗り分けツールを選択したまま、引き続き作業します。
カラーパレットから、塗りたい色を選んで線画にささっと目安程度に塗っていきます。
このとき、ブラシ一覧で選択されているブラシで塗ることになるので、自分が使い易いものを選択しておきます。個人的には色ムラが発生しないブラシが良いだろうと考えています。
とりあえずこんな感じに色をのせてみました。
背景など色を塗らないところがあったとしても必ず何か色を指定する必要があるということに注意してください。何も色を指定しないと、近くにある色で塗り潰されてしまいます。
色を塗りたくないところは、透過させる色を指定してその色で着色する必要があります。
このイラストの場合、女の子の背景には色を塗りたくないので水色を透過させる色に指定します。
ツールオプションのKey Strokesを確認すると、イラストに使った色が並んでいます。
透過させる予定の水色を選択して"Transparent"のボタンを押すと、選択した色に赤の斜線が付きます。
これでこの水色が透過色として指定できました。
自動塗り分けを実行する
大体作業が終わったので、ツールオプションの"Update"ボタンを押して自動塗り分けを実行してみます。
(…髪の毛の間とか、色を塗らない部分の指定がきちんと出来ていなくてはみ出し放題になってしまった😌そこさえ直せばオッケーかな。)
Updateを実行すると、置いた色を残したままその色に基づいて少し淡い色で塗られ、仮の実行結果が表示されます。実際の着色結果を見たい場合は、ツールオプションのEdit Key strokesのチェックを外してみてください。
このまま引き続き色を指定してupdate、を繰り返し完成させます。
ツールオプションの詳細
edit key stroke | 色の指定が行え、仮の着色結果を確認できます。 チェックを外すと、現在の状態での最終的な出力結果を表示できます。 |
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show output | チェックを入れておかないと、自動で着色される結果が表示されません。 |
limit to layer bounds | チェックを入れると自動塗り分けの時間が少し早くなるかも。 例えば透過する部分が多いイラストで、余白部分の計算を端折ってくれます。下の画像のように、余白部分の色の指定を線画に寄せておく必要があります。 |
Edge detection | 線画を認識させるときに、エッジを検出します。 |
Gap close hint | 自動塗り分けがうまくいかない時、値を大きくすると精度が高くなるようです。大きすぎても小さすぎてもおかしなことになるので、いい塩梅のところで。 |
Clean up | 塗りが線画にどの程度重なるか。100%だと、ほとんど重ならない。 |
ペイントレイヤーに変換する
自動塗り分けツールでの着色が完了したら、レイヤー一覧からCalorize Maskを右クリックしてconvert>to Paint Layerを選択し、通常のレイヤーに変換します。このイラストの場合、自動塗り分けツールの使用時は問題なかったのですが、通常のレイヤーに変換すると全ての線画の上に着色したレイヤーが重なってしまうので、線画が見えなくなります😓
線画が見えるように一番下に移動させましょう。
あとは通常のブラシなどを使って上手く塗れていない細かい部分を修正したりして下塗りの完成です。
また、ウィンドウ上部のメニューからLayer>Split>color layerとたどって、色ごとにレイヤーを分けることができます。パーツごとにレイヤーをわけて塗りたい場合に利用するとよいと思います。
ポップアップが出てくるのをそのままokすると色別にレイヤーが作成されます。fuzziness(閾値)の値が大きいと、同系色が同じレイヤーにまとめられてしまうので注意してください。数値を小さく設定するほど色を細かく判別してレイヤーが分かれますが、例えば1など極端に小さな値にすると、画像上の小さなノイズまで拾ってレイヤーを分けてしまうので注意が必要です。
参考
Colorize Maskリンク
リンク