はみ出さずに着色したい!kritaのレイヤーとアルファ継承について理解する

例えば、イラストで肌や服などの影を着色するときに、その範囲からはみ出さずに塗りたくなることが度々あると思います。Photoshopやクリスタでは、グループ化とかクリッピングといった機能を使って塗っているのではないでしょうか。

kritaでは、レイヤーのアルファ継承という機能を使います。
今日はこのアルファ継承について理解したいと思います。

レイヤーの基本

はじめに、レイヤー一覧に表示されているレイヤーの順番が、キャンバス上では実際にどう重なるのかを確認します。

レイヤー一覧では、上にあるレイヤーほどキャンバス上では前面に表示されます。なので、一番下のレイヤー(画像だとBackground)はキャンバス上で最背面に表示され、一番上のレイヤーは最前面に表示されます。
図で表すとこんなかんじ。
レイヤーの重なりの例


アルファ継承とは

レイヤー一覧に表示されているレイヤーの横に付いているアイコンαが、アルファ継承の機能です。

アルファ継承をONにすると、このレイヤーでは絵が描かれている部分(厳密に言うと色がのっている部分)にだけ描きこみができるようになります。絵はアルファ継承したこのレイヤーより下にあることが前提です。

これを利用して、例えば肌の下塗りをしたレイヤーの上にアルファ継承をONにしたレイヤーを作成し、はみ出さずに影を着色します。

下の画像の例では、肌の下塗りをしたレイヤー「肌のベース」の上にアルファ継承をONにしたレイヤー「肌の影」を作成してあります。なので「肌の影」では肌の下塗りがしてある部分にだけ描きこめるようになり、影をはみ出さずに塗れています。

α継承を使った着色

次にアルファ継承をした「メイク」レイヤーの場合を見てみると、これより下にあるレイヤーは「肌の影」と「肌のベース」です。この2つのレイヤーで着色されている部分、つまり先程と同じで「肌のベース」が塗られている部分が「メイク」レイヤーでの描きこみできる部分になります。このレイヤーではチークやリップ、アイシャドウを塗ってみました。

「肌のハイライト」についても同じように考えます。


一つ注意したいのが、新規作成したときにデフォルトで作成される白紙のBackgroundです。
絵を描くとき普通はこの白紙が最背面(一番下)になっていると思います。

このレイヤーがある状態でアルファ継承をONにしてもONにする前と特に変化がなく、先程説明したように色が塗れません。はみだします。

Backgroundレイヤーは普通のレイヤーを白で塗りつぶしただけのものなので、このレイヤーがあると「絵が描いてある部分がキャンバス全体」となり、キャンバス全体が書き込みできる範囲となってしまうので思った通りに色が塗れないのです。

Backgroundを消すと意図した通りに塗れますが、実際に絵を描くときは白紙は消さないと思うので、グループ化をして対応します。グループ化すると、アルファ継承はそのグループ内だけで適用されるからです。

α継承とレイヤーのグループ化

kritaのグループレイヤーでレイヤーをグループ化する

グループレイヤーは、レイヤーをまとめて入れておくフォルダの役割をするレイヤーです。同様の機能は他のお絵描きソフトにもありますが、詳しく見てみました。

kritaのレイヤーでラベルの機能を使うとかなり使いやすくなります!

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レイヤーのラベル機能はシンプルだけど、うまく使えるとぐぐっと作業効率が上がります😉