前回 はスキャナで取り込んだアナログの線画を抽出しましたが、今回はスマホのカメラで撮った線画を抽出してみました。
使用した画材や作業環境など
画材 | マンガ原稿用紙 |
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PILOT 証券用インク | |
サジペン、丸ペン | |
PC | MacBook Air |
OS | fedora30 |
スマホ | Android One 507SH |
線画をカメラで撮る
イラストが歪まないように、なるべく原稿とカメラが平行になるように撮ってみました。微妙に薄暗い部屋で撮ってしまったので画像が暗い😅ちゃんと明るい部屋で撮ったほうが後の処理が楽だし、きれいに抽出できると思います。
マンガ原稿用紙に描いたのですが、水色の断ち切り線はほとんど写らなかったので処理しやすいかも。
線画のグレースケール化
上のメニューから フィルタ>調整>脱色 とたどって 輝度(ITU-R BT.709)を選択し、線画をグレースケール化します。
通常のグレースケール化だとレイヤーは色情報が持てなくなってしまうので、後からこのレイヤーに着色しようとしても白黒の濃淡でしか塗れませんが、「脱色」でグレースケール化した場合だとその後も引き続き色を使って絵に加筆できます。
小さなゴミを除去する
ざっくりとクリーニングします。
レベル補正を開いて、ヒストグラムに表示されている各スライダーを調節し、全体的に薄暗くなっている紙を白くします。
小さなゴミや紙に付いた薄い汚れも一緒に消します。
白のスライダーを左に動かして紙を白くしました。細かなゴミも一緒に消えています。
ヒストグラムは、どの濃さの画素がどのくらいあるのかその分布を表しています。
グラフの横軸には画素の濃淡を表している帯が据えてあります。この画像だとラクダのこぶのような山ができているあたりを見てみると薄い灰色の画素が多いことがわかります。白のスライダーを左に動かしていくと、このスライダーより右側にある濃淡の画素は全部白くなります。暗い画像が明くなりました。これより動かすと線画が消えてしまう部分が出てくるのでここでストップしました。
次に灰色のスライダーを使って線画を少しクッキリさせます。あまり右に動かすと線がクッキリしすぎて手書きの風合いのようなものが潰れてしまうので程々にしました。
各スライダーの役割を下にまとめました。黒のスライダー | スライダーで示した値以下の画素が全部黒になる。 |
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白のスライダー | スライダーで示した値以上の画素が全部白になる。 |
灰色のスライダー | 左に動かすと全体的に白っぽく、右動かすと黒っぽくなる。 |
画像の影を消す
画像の下の方からグラデーションのように影が落ちているのを消していきます。
レイヤーのリストに新規レイヤーを追加して、レイヤーの合成モードを除算に設定します。プルダウンメニューの「算術的」のグループの中にあります。
色採取ツールで画像の一番影が濃いところの色を採ります。
この画像だと左下のあたりの影の色を採取しました。
グラデーションツールを選択して、影とだいたい重なるなるようにグラデーションをかけると、影がいい感じに相殺されて白くなりました。
まだぼんやりと影が残っているので更に消します。もう一枚除算レイヤーを追加して、色採取ツールで画像の一番影が濃い所の色を採ります。画像だと、左下髪の毛の辺りの色を採取しました。
塗り潰しツールを選択して、全体を塗りつぶすと、だいたい影が消えました。
上にあるメニューから レイヤー>画像を統合 とたどってレイヤーを一つにします。
微細なゴミが残っているので、もう一度レベル補正で線画に影響しない程度に少しだけ飛ばしました。どうしても消えないものは、後の線画を抽出した後に消しゴムで消します。
線画の抽出
kritaのメニューから フィルタ>色>色をアルファに を選択して、線画を抽出します。開いたウィンドウの「色選択」のところに表示されている色が、透明にする色になります。
この画像だとデフォルトの状態で紙の白い部分が透明になることがプレビューで確認できたので、このままOKを押して線画を抽出しました。
紙の白い部分が上手く透明にならならいときは、「色選択」のところに表示されている色をクリックして、表示されるスポイトツールを使って画像から透明にしたい色を直接取ってきてみてください。
抽出できたら見やすいように線画のレイヤーの下に白で塗りつぶしたレイヤーを追加して、線画に残っているゴミを消しゴムで消したり、線を修正したりすれば出来上がりです!
線画の色を変更したい場合は以下を参照👇水色で下書きが描いてあるアナログの線画をスキャナで読み込んで抽出してみました。
参考
色んなグレースケールの原理について
グレースケール画像のうんちく - Qiita
ヒストグラムの説明がわかりやすい
「トーンカーブ」で自由自在に色調補正①|Photoshop色調補正ゼミナール|Shuffle by COMMERCIAL PHOTO
画像をモノクロにするには色んなやり方があるということを教えてくれる
第9回 モノクロームの処理基礎篇 |レタッチの基本技|Shuffle by COMMERCIAL PHOTO
チャンネルを使ったごみ取りについて
スキャニングを極める(仮)