kritaでオリジナルのブラシを作りたい!

今描いているイラストで、もうちょっと服の装飾に凝ってみたいなぁと思い始めました。スティッチとかレースとかパールなどをちまちま描くのは大変なので、ブラシを作ってみることにします。

example

このイラストの女の子が被っている帽子の縁に付ける、レースのブラシを作ります。

ブラシの画像を作る

draw-pattern

新しいレイヤーを作成して、ブラシに使うレースの絵を描きます。
ちょっと見辛いですが、”U”みたいな形を濃いめに描きました。ブラシにしたときに、濃さが9割ぐらいになって薄くなってしまうためです。

select-pattern

描いた絵を選択ツールで囲みます。囲んだ範囲内の絵がブラシ画像として登録されます。画像がおおよそ真ん中に来るように選択しました。

isolate-layer

ブラシ用の画像を描いているレイヤーを右クリックします。“Isolate Active Layer”を選択します。これでこのレイヤーだけが有効な状態になります。(他のレイヤーが操作できなくなるので、もとに戻したい場合はもう一度この項目をクリックして解除します)

作ろうとしているブラシに近い既存ブラシを選択する

次に、自分が作ろうとしているブラシと近い動きをしているブラシを選択します。ブラシの動きを設定する項目はとても多いので、既にできているものを流用した方が簡単に作れます。

私は今描いている線画に使っている鉛筆ブラシを使うことにしました。選択したら、ブラシエディタを開きます。

open-editor

ブラシエディタを開くと、ブラシ名の下にベースとなっているブラシエンジン名を確認できます。このブラシはピクセルエンジンを使っていることがわかります。

通常のブラシやスタンプなどのブラシは、大体このピクセルエンジンを使ったブラシです。今回のようなパターンを描くためのブラシもこのエンジンを使います。

作ったブラシの画像を登録する

さて、先程作成したブラシ用の画像を取り込むために、ブラシエディタの”Stamp”ボタンをクリックします。

stamp

ポップアップが開くので、ブラシの画像名を入力します。また、今回は”Preserve alpha channel”にチェックを入れて透過処理を有効にしました。その他の項目はいじらず、Saveします。

stamp-popup

これで”ブラシチップ”を登録できました。(ブラシの編集画面のBrushTipで、いつでもこのブラシ画像を利用できるようになりました。)

brush-tip-list

ブラシの描画間隔を調整する

画像が登録できたので、ブラシエディタの右側にあるスクラッチパッドに試し書きしてみましょう💪

space-problem

うーん、レースとレースの間に少し隙間ができてしまいます。あと、筆圧が強いときは良いんだけど、筆圧が弱いところには特に隙間ができやすい。

隙間を埋めるには、まず”BrushTip”の”Spacing”の項目を調整します。大体2.5前後が良い感じでした。これで隙間ができてしまう問題がおおよそ解消されます。

tip-space

筆圧が弱いときに空間ができてしまう問題は、“Spacing”で調整します。
“Pressure”にチェックを入れて、右側に表示されているグラフを調整します。
横軸が筆圧で、右に行くほど筆圧が強いことを表します。縦軸で空間を調整します。

pressure-space

横のスクラッチパットで試し書きしながら、画像の丸で囲ったように調整してみました。これで隙間が埋まりました。

いろいろ試してみた感じでは、隙間を埋めるには以上2つの方法が無難そうです。他に良いやり方があればまた追記します。

ブラシのパターンの向きを曲線に沿わせたい

check-angle

曲線に沿ってレースを貼り付ける場合に、ある程度向きを合わせたいので、“Rotation”の”Drawing angle”にチェックを入れます。

これで曲線をなぞるペンの傾きに応じてレースの向きが変化します。

angle

いつも同じ濃さで描画したい

ブラシのストロークによってパターンが濃くなったり薄くなったりするのが気になる場合は、“Flow”の設定にある”Enable Pen Settings”のチェックを外して無効にします。

flow

ブラシを登録する

save-brush

作ったブラシを登録します。スクラッチパッドの四角の破線で囲まれた領域に、ブラシ一覧に表示するためのサムネイルが描けます。(予めサムネ用の画像を用意しておいて、それを指定することもできます)

画像のように描いてみました。

描けたら「Save New Brush Preset」のボタンをクリックします。

save-brush-popup

ブラシを新規登録するためのポップアップが開きます。
“Brush Name:”にブラシ名を入力します。このとき注意したいのが、ブラシはブラシドッカーにアルファベット順で表示されるということです。

↓ブラシドッカー

brush-docker

私は新しく作ったブラシをドッカーの最後の方にに表示されるようにしたいと思っています。画像の例ではブラシ名をfablic-1と入力してしまったので、これだと一覧の上の方に表示されてしまいます。

kritaのブラシ名は、先頭に”a)“というようにアルファベットと閉じ括弧を書くようなルールになっています。この名前の付け方で、ドッカー内でのブラシの表示順を調整しています。

つまり、私の場合だと”z) fablic-1”というふうに、zを先頭に描けば一覧の最後のほうに表示されます。

最後に"load scratchpad thumbnail"をクリックしてスクラッチパッドに描いたサムネイルを読み込んで、Saveをクリックします。これで新しくブラシが登録されました。

完成

ブラシが完成したので、さっそく女の子の帽子に使ってみました。いい感じです✌

complete

【おまけ】ブラシをリセットしたい

ブラシを編集していたけれどリセットしたくなった。もしくは、ブラシを作るときにベースにしたブラシをもとに戻したくなった場合は、編集画面のくるくる矢印ボタンを押すとリセットできます。